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「ねぇ君、運命とか信じる人?」
「いや、信じないっす」
何を考えているのか分からないべっぴんさんの言葉に、即答する。
さっきからなんだろ、新しい宗教でも流行ってんのかねwwwなどと思いながらも口にはしない。
相手は恐らく成人の、しかも女性だ。
余計なトラブルは出来るだけ避けておきたいと思うのが、まぁ普通だろう。
あぁ、割と常識ありますよ俺。
「さっきそこの阿呆にも言ったんすけど、俺は信じない人です」
失礼にならない程度に、もう一度答える。
だが当の本人は本当にその答えが知りたかったのだろうか、ふーんと興味なさ気に呟いた。
何なんだこいつwww
だが綺麗だから許す。
「ああごめん、喉渇いちゃった。少し待っててよ」
本当に何を考えているのか、彼女は滑る様に移動して、鼻歌を混じらせながら自販機で飲み物を買いはじめた。
「君にも一本あげるー」
そう言って、飄々とした笑みを顔に張り付けた萩原さんはお茶のペットボトルを投げつけて来た。
俺がそれを落としそうになりながらも手に取ると、彼女は既に自分で買ったお茶を飲んでいた。
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