アッシーが行く

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手の中に納められたスティックと、変わり果てた姿のドラムを交互に見て、男はガックリと首をうなだれた。 その瞳には、うっすらと涙まで浮かんでいる。   「じゃ、あたしはこれで。お邪魔しました」   ウフフ……と小悪魔的な笑みを浮かべて立ち去るアッシー。 だが、残された男達からするとアッシーの微笑みは天使の微笑みから、悪魔の微笑みに変わっていた。   「また来てもいい?」   扉を開け、その場を立ち去ろうとした瞬間クルリとアッシーが振り返って男達に問いかける。   「二度と来るな!」   「ざ~んねん。何でそんなに怒ってるのかわかんなーい」   クスクスと小さく笑うと、アッシーはその場を立ち去った。 残された男達はそのまましばらく動くことができなかった。 あまりに突然で、あまりに突拍子な行動と、その結果の現実を受け入れるまで時間がかかったようだ。     いつでも、どんなときでも自分の欲求に素直に、そして己の思うがままに突き進む。 それがアッシー……   行け行けアッシー!他人の視線を顧みず、己の思うがままに突き進むのだ! ま、周りはかなり迷惑なのだが……     ~Fin~
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