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そう言って笑うと更にスティックを振り下ろす。
その度にドコン!バキ!等と様々な音を立ててドラムが悲鳴を上げる。
「おい!いい加減にしろよ!」
さすがに我慢の限界なのだろう、スティックを渡した男もその他のメンバーも慌ててアッシーの元へと駆け寄りその行為をやめさせようとした。
だが、アッシーは小さな頃から見目麗しかったため、身を案じた両親が合気道を習わせていたのだ。
駆け寄った男達は次々に赤子の手をひねるようにアッシーに倒されていた。
「あたしの邪魔をしないで!あたしはただ叩きたいだけだって言ったじゃない。すぐに終わるんだから黙って見てて」
アッシーに転がされた男達は「うう……」と低いうめき声を上げて、どんどん変わり果てた姿になっていくドラムを見つめた。
「あー!スッキリした」
鼻歌交じりにそう言って、満足そうに微笑むアッシー。
「満足満足。ありがとう」
そう言って見るも無惨に折れているスティックをアッシーは手渡した。
「お……俺のスティックが……俺のドラムが……」
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