行け行けアッシー

アッシーが行く

「知り合い？」

「俺は違う、お前は？」

アッシーを見ながらそれぞれが、それぞれに問いかける。
だがやはり口から出てくるのは、アッシーを知らないという言葉のみ。
メンバーの前まで行くと、アッシーはにっこりとほほえんだ。
最初にも言ったが、アッシーは黙っていれば美人、若しくは美少女という言葉が当てはまる。

当然アッシーに微笑まれたメンバー達は、頬をほんのりピンク色にしてしまう。

「こんにちは」

更ににこやかに微笑んで、メンバーに声をかけるアッシー。
メンバー達の表情が、更にでれっとした物になる。

これでアッシーへの不信感という壁は、メンバーの誰一人消え去っていた。
自分の微笑みで、みんなの警戒心を壊しているという事実をアッシーは知っているのか……
知った上での行動であれば、かなりのしたたかな女と言うことになる。
だが、アッシーはそこまで計算をしているわけではない。

ただ自分がしたいこと……
己の欲求に従う上で、人と関わるのだから挨拶した。
その程度の考えなのだ。