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「これ、ドラムですよね?」
そう言ってゆっくりとドラムを指さすアッシー。
「あ?ああ。そうだけど?」
アッシーに言われ、ドラムのスティックを持った男性が小さく頷く。
この人ね?
そう言うかのように答えてくれた男性の側に、ツカツカとアッシーは歩み寄った。
「これ、あなたの?」
下から大きな瞳で見上げるようにジッと見つめられ、スティックを持った男性は顔を真っ赤にしてコクコクと大きく首を何度も縦に振ってそうだと答えた。
「あのね、あたし……ドラムが叩きたいの」
ジッと潤んだ瞳で見つめながら、つぶやくようにアッシーが口を開く。
その表情はまるで濡れた子犬がジッと見つめているかのように、儚くもあり儚くもあり……思わずギュッと抱きしめたくなるような表情だ。
ドギマギとしている表情の男性の手にスッと自分の手を乗せると、更に男性の顔……いや全身が真っ赤なゆでだこのように朱に染まる。
「……叩いてもいい?」
美少女に嘆願するように見つめられ、更には手まで握られている状況下。
おそらくこの男性にとって、アッシーの……少なくとも見た目はストライクゾーンだったに違いない。
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