水晶の魔女

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ムーンフィッシュによるしばらくの空中散歩が続きました。 なるほど、レイブンの言う通り慣れてしまうと気持ちの良いものです。 空から見るエンシエン大陸は雄大で美しく、霧の樹海、 鏡の泉、鉱山都市ミスティア、グリーンブリッジ、どこまでも見渡すことができました。 「もうすぐだな。マリア、降下するぞ」 私達は紫心窟付近の荒野に降り立ちました。 ひどい砂埃とカビ臭さでムーンフィッシュも逃げるように姿を消しました。 「ひどい場所……」 「ああ、今はもう来る人間もいないからな。紫心窟はもう少しだ」 あるのは灰色の砂と石、ここまで来るまでに空も徐々に曇ってきていました。
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