水晶の魔女

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私とレイブンはローブのフードを深く被り、襟を立てながら砂塵の中を歩きました。 「あの」 私は気になっていたことを質問してみました。 「どうして私を選んだんですか? 他にも私より防御魔法の優れた法師もたくさんいるのに……」 私の質問にレイブンは歩を止めました。 「ここまで来れば話しても大丈夫だろう……」 レイブンは真剣な表情で私に向き直りました。 「私が君を選んだのは君がまだ組織に毒されていない、純粋な法師だからだよ。生徒からの信頼も厚い君なら信用できた」 「え? どういうことですか?」 全く状況を飲み込めない私にレイブンは続けます。 「これから行く場所にはキングダムの機密事項がある。そして私は今日キングダムを裏切ることになる」 どうやら私はとんでもないことに巻き込まれてしまったようです。
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