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声を掛けてきたのは水魔法を得意とする魔女レイブンでした。
髪も瞳も、ローブまでも深い碧に染まった姿にはいつ見てもハッとさせられます。
齢20で水の魔女の最高位であるアクアディーバの称号を受けた天才です。
24となった今では更に鋭さに磨きがかかり、キングダムでも指折りの魔女と言われています。
私より一つ下です。
「はい! 用事はございませんが!」
「そうか、なら少し付き合ってもらえるか?」
紫心窟へ様子を見に行こうと思っていた私は心の中で少し落胆しました。
「紫心窟へ行くのに防御魔法の優れた魔女が必要なんだ」
「え? 紫心窟に何の用事ですか?」
「少し……な」
レイブンは答えてくれませんでした。おそらく何かの依頼か、或いは上からの命令なのかもしれません。
キングダムでは依頼の内容を他人に話すことは禁止とされているのです。
どちらにしろこれで紫心窟に行く口実が出来ました。
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