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するとルリアが、
「めっ!」
と言って、デコピンをしてきた。力が無いので衝撃がある位しか感じなかった。
『?ルリア?』
見ると、ルリアは目を吊り上げている。…怒ってるのか?
「喧嘩は、駄目だよ!しちゃダメ!分かった!?」
凄い気迫。それに押された情けない俺は、思わず頷いてしまった。しかも何度も高速に。
「えへへ」
と嬉しそうに笑うルリア。ていうより、可愛い。
…あれ?俺、ヘタレになってきてないか?あれえ!?
「竜ちゃん、優しい」
唐突に俺の手を握ってくるルリア。白くて細く、握ったら折れそうな腕。俺の周りに、こんな芸術品みたいな奴はいなかった。
「明日も、来てくれる?」
『明日も…て、ここ、お前の病室か?』
「うん」
そして、雪原ルリアの向かいの部屋がこの俺、金澤竜だった。
『ていうか、勘違いで入ったのかよ、俺…かっこわりぃ』
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