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「あの…総理…。」
「なんだ?銀官房長官。」
「例の並行世界の件についてなんですが…。少々そのことで話をしたいんですが。」
二人の国の重要人物、潤夜内閣総理大臣と銀官房長官が国会議事堂の尊厳な廊下で話をしていた。
「あぁ、その件についてはお前に全て任せるよ。」
「え…?」
「今はそれも重要だが、国民もいろいろ我が内閣に不満があるみたいだからな、それを一つ一つ潰していかにゃいかん。あまりそればっかりに時間はかけられん。」
「わかりました…」
「くれぐれもこの件については慎重に扱えよ…万一このようなことが外にばれれば世界中に批判を食らうかもしれない。もしくは世界中が並行世界に食いついてくるかもしれんのだ。くれぐれも慎重にだぞ。」
「はい総理。」
二人はずっと小さい声で話していたが、その話を柱の影で耳を立てて聞いている女性がいた。
(並行世界?何のことなのかな?)
「それじゃあ私はこれから会見があるから、後は頼んだぞ。」
と言うと潤夜首相はゆっくりと去っていった。
「では、私も仕事に取り掛かりますかね…」
銀官房長官は眼鏡に指をかけてカチャッっと上にあげる仕種をして、歩き始めた。
(これは、何か大きなスクープの匂いがする…!)
女性はゆっくりと気づかれないように官房長官の後についていった。
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