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扉が開いた。どうやら朝を迎えたらしい。とはいっても、まだ5:00くらいだろう。この部屋…いや牢獄に入っていると、嫌でも時間の感覚がおかしくなる 。
それでも牢獄の奥には時計があったが、窓という光を通す物は一切無いので蝋燭の火を近づけないと全く見ることが出来ない。
だから真昼間でも部屋は深夜のように真っ暗だ。
「ほら!さっさと起きて仕事に取り掛かれ!」監視兵の一人が掠れた耳障りな声で叫ぶ。
俺を含めた奴隷達は急いで着替え始めた。ダラダラしてるといろいろと後で面倒だからだ。
そしてまだ薄暗い廊下に一列に整列させられ、監視兵に一人一人の体のチェックをさせられる。何か怪しい物が見つかったら、後で面倒なことになるってことだ。
ちなみに、俺には名前が無い。そう。今は…
「早くこっちに来い!SN‐054番!」
そう今はこれが俺の名前だ。
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