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刺激に耐えかねた俺は、強く目を閉じた。
吐き出せば良かったのにと後で後悔する事になる。
途端に刺激、いや。俺の感覚そのものが消えた。
(んだよ!? 何なんだよッ!)
閉じていた目を、恐る恐る開ける。若干、普通の状況に戻るんじゃないか……なんて期待したアホは俺だ。
「トゥ?トゥッ!」
「わぁ♪ 思った通り、カッコいい!」
「うむッ! “純粋な強い思い”を持つ戦士・アプフェヴァインここに推参! だな」
「もー…パパったら! それは集真君の決め台詞でしょ?」
ツッコミ所が目白押しの親子漫才に突っ込む余裕が、今の俺には無かった。
「タ、タアッ?」
何を言おうとしても、掛け声しか出ない。見詰めた手のひらは、どう見ても青とプラチナの機械で人間のそれじゃない。
「む? アプフェヴァイン? 武者震いか」
(違うっての!)
「分かった! 力試ししたいんだよねッ♪ わかる!」
(だから、リュラまで違うっつ…のおおおォッ!?)
ふわふわした美少女は、自分の十倍はある巨石を軽々と持ち上げていた。
――さらに。
「行っくよ~!」
俺に向けて、大岩が飛ぶ。
逃げる間なんか、どこにもありゃしなかった。
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