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しかし、少年はその差し出された手を勢い良く叩いて吐き捨てた。
「俺は二度とあんな地獄なんて見たくない。見たところ過去から来たと思うが帰ってくれ」
しばらくえみるが黙って俯いてしまったので少年は少し不安そうな顔になった。
「……このえみる様の誘いを断るなんて良い度胸じゃねーか」
小声だが迫力の有る声に全身の鳥肌がこれでもかというほど立つ。
「覚悟は出来てんだろうな!?」
えみるがそう叫ぶと、えみるを中心に黒い何かが溢れ出す。
「こうなれば実力行使だ……無理矢理にでも連れていく」
えみるが顔を上げると同時に黒い何かは一気に周りを包み込む。
「----ッ!?」
逃げだそうとしたが既に遅く、えみるの能力に呑まれていた。
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