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私はいつもの様に頬杖をつくと、今朝の夢のことを思い出していた。
“ファーストキス”
あれは忘れもしない、私が5歳の時だった。
お母やん(お母さんの愛称)に怒られた私は、泣きながら家を飛び出して、近くの公園でずっと泣いていたんだ。
その公園は高台の上にあるから、夜には綺麗な星空が見える。
だからあの頃の私は“ピカピカ公園”と、呼んでいた。
もっこりと盛り上がった小山に腰掛けて星を眺めていると、いつも“やきそばパン“を持ったお兄が一人で向かえに来てくれた。
だけど、何でいつもやきそばパンだったのだろう…。正直、私はあんまり好きじゃなかったように思う。
でも、すっごく嬉しかったのは覚えている。
私を探してくれたこと。
一人で迎えに来てくれたこと。
あの時は恥ずかしくて、素直にはなれなかったけれど。
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