始まり

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「おはよ」 小さく呟いた私の声が、一瞬響き渡るこの瞬間が好き。 まだ誰もいない朝の教室は、いつものガヤガヤが嘘みたいに静まり返っている。 私は窓側後ろから二番目の席に腰をおろすと、ボーッと窓の外を眺める。 ちなみに只今の時刻は8時15分。 あと15分もすればHRが始まる。 だから、パラパラと一人二人と生徒が登校して来るはずだけれど、私はこの静寂の15分が好きでいつも早めに登校をしている。 これといってやることなんてないけれど、昨日起きた楽しかったこととか今日は何をしてみようかとか…。 正直、どうでもいい事を考えているだけの時間だけれど、ほんの少しだけ、心にゆとりを持てる時間は贅沢でなんとも至福を感じるのだ。
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