3人が本棚に入れています
本棚に追加
ふふふのふ~と近隣住民の方に通報されかねないビジュアルの人間が鼻歌を歌っている絵はとんでもなくシュールだった。まぁ幸いにして辺りには家と呼べる建物は一切見当たらなかった。毎回通る度に思うがいくら田舎とはいえこの辺りだけ家が異常にないのはどうかと思う。いや、決して他の地域が住宅に溢れているというわけではないのだけれど、ただそれにしたってこれは酷い。家というか小屋らしきものが目をこらしてやっと2、3件見当たるか見当たらないかぐらいである。ただ、まぁこういう地域になってしまったのは誰のせいなわけでもないんだから、ぐだぐだ語るのはよろしくないだろうなぁ。よし、現実を見よう。
家に着いた。
飛躍しすぎ?いやいや、皆さんよく考えて欲しい。通学路とか、片道20分とかでも別に意識してないですよね?そういうことです。ごめん、僕には戯言無理です。
さーて両親も心配してるだろうし早く家の中に入ろうかな。
ガチャ
「ただ《ちッ…》いま」
生温かい家族愛に涙が出そうだ。わりかし本気で。
「やぁ我が息子よ。こんな時間に帰ってきてどうしたんだ?心配したんだぞ?」
「舌打ちした事実は島流しですか父上。」
「なに?眠くて眠くて死にそうだ?はは、そりゃ奇遇だな。ちょうど今家族全員の意見でお前に睡眠薬盛って葬ろうと「あんた頭悪すぎだろ」は!?そうか…家にある錠剤型では気付かれずに盛るなどできるわけがないのか…」
…いや、その計画を口にしたことを言ったんだけど。大体、錠剤は砕けば粉末になるだろうが。
心温まる父との軽妙な戯れ(であってほしいと願う今日この頃)を終えて母親の下へ。
最初のコメントを投稿しよう!