君と

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夏休みが始まった。 むしむしして暑い中あたしたちマネージャーはみんなに配るタオルや飲み物を持ちながら汗をだらだら流していた。 「小冬ー」 汗をだらだらと暑そうに流しながらあたしに声をかけた伊織。 「はい、タオル」 「ありがとー」 伊織はあたしからタオルを受けとると顔をふきはじめた。 「おつかれだね、伊織」 「ほんとほんと」 あたしは伊織が腰を下ろした隣にあたしも腰を下ろした。 「ね、小冬」 「ん?」 「帰りさ、唯都のとこ行かない?」 「唯都?」 「だって最近行けてないじゃん。会ったの夏休み入る2週間くらい前だよ?」 「そうだよね…どうしようかな」 あたしは伊織の問いかけになかなか返事を出せなかった。 なぜかって? それは―…
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