君と

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やだ。 ほんとにやだ。 泣きそう。 あたしは少し下を向きながら涙目になっていた。 「…小冬?」 後ろから陽汰の声がした。 「な、なに、泣いて!?」 あたしは陽汰がこっちへ来る前に首にかけているタオルで涙目になっている目を急いで拭き取った。 「泣いてませんけど」 「だって泣いてたじゃんっ!」 陽汰はあたしの顔を覗き込むように見ている。 「泣いてないって!陽汰の見間違いじゃないの?」 「見間違いなわけないって!」 「もー!どうでもいいから早く練習行きなさいよっ」 手に持っていたスポーツドリンクを陽汰に押し宛ながらちょっと乱暴に渡した。
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