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アスランが神になって一年がたった。
相変わらずカタコトで話すアスランにキラは最近苛立ちを覚えていた。
「キラ!」
笑顔でキラに駆けてくるアスランを表情も変えずアスランが手に持っている物を見る。
「アスラン、それどうしたの?」
「これ?イザークがくれた」
嬉しそうに持っていた飴をキラに見せる
アスランは甘いのはあんまり好きではなかった。
いつもおやつはキラの分だけで、キラが食べているのを微笑ましく見ながらコーヒーを飲むだけだった。
でも、今のアスランは甘い物を好んで食べている。
最近はイザークに懐いてキラの側に居るよりイザークに抱き付いてる事が多い
あんなに優しく僕を抱き締めて甘い言葉で囁いてくれたアスランじゃない…
キラが苛立っているのは、そんなアスランのギャップだった
あんなに好きだって言ってくれてたのに、あっさり忘れた挙げ句、僕よりイザークに懐くってどうゆう事?
僕の事はどうでも良くなったから?
「キラ?」
何の反応もせず俯いたままのキラに不思議がりながらアスランは見る
キラは顔を上げてアスランを見るとゆっくり口を開いた
「ね、アスラン…僕の事、好き?」
「好きだよ」
「イザークどっちが好き?」
真面目な顔をして問うキラにアスランは少し悩み答えた
「うーん…イザークの方が好き」
あぁ、やっぱりそうなんだね。
死ぬのは生まれ変わると同じ
だから君はアスランじゃない
僕の好きだった…僕を好きだと言ってくれたアスランは…
もう居ない
両目から涙が滲み零れ落ちる。
それに気付いたアスランは心配してキラの顔を覗き込みキラの涙を拭おうと手を伸ばす
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