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レイは少し悩むように俯き困った顔をしてアスランを見た
「すみません…お教えする事は出来ません」
「どうして?」
「貴方にはその条件をのむ事が出来ないと思うからです」
シンは不安そうにレイを見ているのに気付きレイは優しく抱締めた
「俺ですら悩みました…今でも、それで良かったのかと思ってしまう程です…シンとの約束を守る為に仕方が無かった…」
「俺の為?よく分かんねーけど、俺の為にレイがそんなに悩む程の条件をのんだのか?」
自分のせいでレイが苦しんで居るのに悲しみながらシンは泣きそうな顔でレイを見ていた
「お前は悪くない。俺が勝手にやった事だ。お前の為なんて言い訳だ…本当はシンの側に俺が居たかっただけ…」
シンも同じ気持ちなのだろう…抱締めるレイに背中を回して抱き付く
ずっと抱き合う二人を見てアスランは切なくなる
俺がキラを思い出したらキラの為に、レイの言う条件をのめるかもしれない…
アスランがそう考えている横でキラは別の事を考えて居た
「ねぇ、アスラン…」
「何?キラ?」
不意に呼ばれアスランはキラの顔を見る
キラはアスランをまっすぐ見ていた
「さっきの…どうしてなの?」
「え?」
「さっきのアスランの人間の記憶の話だよ。どうして思い出したいの?レイは異例だけど君は人間の記憶なんて何も覚えていないでしょ?思い出すのは天界では最大のタブーになっている。なのにどうしてそこまでして思い出したいの?」
「それは…」
口ごもりながら俯き言うか言わないかを悩む
「言いたくない?」
「…から…」
「え?」
「キラが忘れたから…」
悲しそうにアスランはキラの顔を見る
「キラが俺を忘れたから…」
「忘れた?僕が?」
「アスラン!いけませんわ!」
慌ててラクスがアスランに駆け寄る
「キラ、なんでも無いのです!」
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