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「貴方がキラ様ですか?」
キラは名前を呼ばれて振り向くとそこには一人の女性がいた
「そうですけど、貴女は…?」
「申し遅れました。私、ラクス・クラインと申します」
スカートを持ち上げフワッと会釈をして微笑む
「アレックス様が使用人を増やしたと聞きましてどんなお方か気になりましたもので…」
ラクスは長いスカートの裾を揺らしながらキラの側に歩み寄る
「ラクス!」
叫び声と共にアレックスが走ってくる
「あら、アレックス様御機嫌よう」
慌てて走って来たアレックスにも顔色を変えず微笑むラクスを見て、アレックスは溜め息をつく
「御機嫌ようではありませんよ。勝手にキラに話しかけないでください」
「あらぁ…どうしてですの?」
「…貴女が何言い出すか分からないからです」
「…例えば、私がアレックス様の婚約者とかですか?」
「え!?」
キラが驚きアレックスを見るとアレックスは慌ててキラを見て目が合う
「違うんだキラっ、ラクスは勝手に決められた婚約で、俺が好きなのは君だけだよ!」
慌てて誤解を解こうと言い訳をするアレックスにキラは困った顔をする。
「アレックス様はそうゆう御相手がいらっしゃいますのに僕にあんな事したんですね?」
「ちっ…違うんだ!本当に俺が好きなのは…」
「キラ様です」
にっこり微笑んでラクスが相槌をうつ
「キラ様を御見掛けしてからというもの、アレックス様は毎日貴方を見に行かれて、毎日うんざりする程、私にキラ様のお話をされていらっしゃいましたのよ」
キラは目を何度も瞬きをしてアレックスをみた
「そうなんですか?」
「あぁ、なかなか話しかけられなかったから、水汲み場に行っては君を見てた。君と初めて話した日もその帰りだったんだ実は…」
アレックスの言葉にキラは嬉しくなり頬を赤くして見つめた
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