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「キラが子供?」
「そう、まだ心が未熟で上手く育っていないのだよ」
指を鳴らして式神を呼びキラを抱き上げ運ばせながらギルバートは答えた
「…人間の記憶は、あれ程思い出してはいけないと言ったのにね…」
「思い出すと、キラみたいになるの?」
「そうだ。神にとって人間の時の記憶は苦痛でしかないのだよ…分かるかね?アスラン」
「…」
苦しそうに蹲り、最後は気を失って…今、式神に運ばれているキラを見送りながらアスランは思いを巡らせる
俺が、キラを苦しめた
俺が居なきゃキラはあんな風にはならなかった…
「…俺のせいだ…俺の…」
泣きそうな顔で俯くアスランを見ながらギルバートは口の端を上げて笑うとその場から消える
一人残されたアスランは必死に涙を堪えながら、その場に座り込んだ
ある部屋にキラは運ばれ、その中にある特殊な装置にキラは寝かされた
そのタイミングで現れたギルバートは式神に装置の起動を指示し、式神は起動スイッチを押す
音を立て動き出した装置は〔ゆりかご〕と呼ばれており、神達の回復装置である
「さあ、たっぷり休みなさいキラ…再び全てを忘れ、今度こそ心を成長させなさい」
ゆりかごは表向きは回復装置だが、実際は神達の記憶をギルバートの思い通り操作する装置だという事を知っているのはギルバート以外だれも居なかった
「君の思い通りにはさせはしないよ、アレックス」
私の手駒はもうすぐ揃う
来るのなら、いつでも来なさい
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