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突然、受けた衝撃に友也は恐る恐る振り返る。
怒っていたらどうしようと本当は振り返るのが恐くて泣いてしまいたい気分だった。
「妙な事、考えんなよ。俺がやりたいからやってるだけなんだ。」
その声は少しも怒っている様子はなく逆に優しくて友也は苦しくなる。
見下ろしてくる眼差しは「そんな事、気にすんじゃねぇ」と言ってるようだった。
「リーダー……。」
微かに震えた声の友也に仁はそっと腕を伸ばし髪を撫でる。ユキを撫でる様に何度も優しく撫でてくれる仁の大きな手が友也からゆっくりと不安を消していく。
ユキと戯れていた武蔵はそっとユキを離すと静かに立ち上がり伸びをする。
「お前等って本当、仲良いよな……兄弟みてぇ。」
「…………。」
言われた台詞が何だか恥ずかしくて照れ臭くてどう反応していいのか分からず仁も友也も思わず黙ってしまった。
そんな時、ドアが勢いよく開き何事かと思っていると柚琉が飛び込んでくる。
「武蔵ーっ!やっと見つけたー!!コンビニ付き合えーっ。」
柚琉は勢いよく武蔵の背中に抱き付く。
「ぐはッ!」
抱き付かれた方の武蔵は何とも男らしい声をあげる。
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