仲良しなんです。

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 不意に落ち着いた声で呼び掛けられ何か悪い事しただろうかと思う。 そう思った矢先、柚琉の顔が近付いてきたかと思うと頬に温かくて柔らかい感触がして何かと思う。 チュッという音を立ててそれは離れていきやっとキスをされたと気付く。 カァッと頬が上気し武蔵は思いっきり殴っていた。 殴られた柚琉は「痛ッてぇー!」と声を張り上げ殴られた拍子に後ろに倒ける。 「何すんだよぉ……武蔵ぃ…。」 なんとも情けない声をだし殴られた所が痛いのか目を潤ませていた。 「こっちの台詞です!」 そう言いながらキスされた所を手の甲で強く拭いながら言う。 「次、こんな事したら殺しますよ。」 肩を小さく上下させ完璧、目がすわっていて様子を伺っていた仁は「おー恐っ」と零し友也は頬を赤く染めていた。 「チェッつまんねぇの……いいよーだ。今度は寝込み襲うから……。」 不貞腐れた様に恐ろしい事を言う柚琉に武蔵の目が一層、釣り上がる。 ガッと柚琉の胸元を掴むと力一杯、引き上げる。 「そーいう変な事、言わないでもらえますか!?」 声は落ち着いているのにヒシヒシと伝わってくる何かにさすがの柚琉も危機感を覚えた。
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