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「柚琉さん?」
ふいに離れていった腕を不思議に思い見下ろす。
「俺だってさすがに外ではしねぇってば……。」
「……それならいいです。」
からかうような言い方に一瞬、どう返していいか困ってしまった。武蔵は自由になった腕を解すように回すとパケットに手を突っ込み一息つく。
「なぁー武蔵。」
「はい?何ですか?」
「……俺の事、好き?」
再び同じ事を聞いてくる柚琉に武蔵は小さく溜め息をつき「また聞くんですか?」と返せば柚琉は当然だと言わんばかりの笑みを見せる。
「……好きですよ。」
面倒臭そうに言うがそれでも「好きだ」と返ってきた事に満足したのか柚琉は嬉しそうに笑う。
「本当?本当に!?」
「えぇ……。」
ちょっと疲れたような武蔵の声に少し不満に感じたがそれ以上は言ってくれないだろうと諦める。
「俺も武蔵好きー。」
「………そりゃどうも。」
まるで子供みたいな笑顔を見せる柚琉に好かれるのは別に悪い気はしなくなっていた。むしろ嫌われるよりかはずっとよかった。
コンビニでコーヒー牛乳と柚琉の苺牛乳と適当にお菓子を買って戻る。帰りの道、柚琉は何故か恐い位、大人しかった。
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