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アパートに着いた友也と仁はゆっくりと鉄とコンクリで出来た階段を上っていく。
ドアの前に立つと友也は鞄から鍵を取り出し鍵穴に差し込み右に回す。
ガチャっと音がして鍵が開く。
ドアを開け友也に続いて仁も「お邪魔します。」と言って遠慮気味に部屋に入ってくる。
「散らかってるけど…。」
玄関を入ってすぐ左がキッチンでその向かいの手前のドアがトイレ、隣がお風呂になっていた。ガラスの引き戸を開ければ六畳のフローリングにベットと小さなテーブルが一つあるだけで何もなく閑散としていて床にはスケッチブックや鉛筆、絵の具、ボードが散らばっていた。
仁は思わず立ちすくみ黙り込んでしまう。
何か気になった事があるのか仁は後ろを振り返りキッチンを見る。鍋とか見当たらなく白いビニール袋が三つ置いてあって見た目からして中身はゴミである事は確かだった。
それを見た瞬間、一瞬だけ仁の顔が曇る。
「友也……お前、毎日、何を食べてるんだ………?」
「…………。」
散らばっている物を片付けながら跋の悪そうな顔を見せる友也の隣に腰を下ろし仁は何も言わず片付けを手伝う。
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