暖かい手

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暖かい手

 そっと差し出された大きな手はいつも暖かく、その手に縋りつきたくなる。 どんな時でも優しくて滅多に怒らないのに友也が少しでも無茶をすれば頭から小さな角が生える。 目付きがいつも以上に鋭くなるがその目の奥には優しさが隠れている事を知ってる。そっと降りてくる大きな手が髪を撫でてくれ照れ臭さと懐かしさを覚えた。暖かい手は昔、自分を抱き締めてくれた父親の手に似ていて友也をホッとさせる。
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