麓町「岱連」

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天竺国は、天竺国を三つに分かつ雲より高く大きな連峰によって、北と南西、南東に大きく分断されており、 分断された三つの平地は、それぞれの国によって支配されていた。 冬は厳しいが、豊かな自然に囲まれ、平らな草原がひたすら続く北には、 「騰」(とう) 山が多く、自然の要害により守られた辺鄙な土地の多い南西には、 「夙」(しゅく) 巨大な運河が多く、水に恵まれており、東にある海による海産物も豊富な南東の土地には、 「澂」(ちょう) それぞれが、それぞれの特色を生かして国力を富ませていた。 そんな中、南西の国、夙の最北にあって、連峰の麓にある町の外れに一つ山賊集団がいた。
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