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劉嘉は村人には弱い。
むぅ…とあからさまに怪訝な顔をしたが、盗っ人を一瞥すると、ふんっ、と鼻で笑い、刀を鞘に収めた。
「運が良かったな…さっさと消えろ」
劉嘉がそう言うと、へたり込んでいた二人はすぐさま立ち上がり、一目散に走り出した。
その姿を見送る二人。
「いつもありがとうございます。お蔭様で、我ら村人一同毎日幸せに暮らせております。本当に感謝しています」
村人は深く頭を下げて感謝していた。
劉嘉は、盗っ人を逃がし不機嫌ではあったが、村人たちが優しい人であることを知っている。
それにこうやって盗っ人達から彼等を守ることで、世話をしてもらっている。
だから、劉嘉自身、村人達のことがとても好きなのだ、無下にはできない。
「あぁ、困ったらいつでも呼んでくれ。いつでも駆け付けるよ」
劉嘉は村人に微笑む。
すると、村人も劉嘉に微笑んだ。
「劉嘉様も、お困りになられた時は我らになんなりと申し付けてください、微力ではありますがお力になります!」
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