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ここは大陸南西にある国、夙。
その最北端、大陸を三つに分かつ連峰の麓町「岱連」。
北の大国「騰」に繋がる街道がある。
それゆえに、治安が余り良くはない。
騰から逃れて下ってきた盗賊や、逆に夙から北上してきた盗賊などもよく来る。
もちろん盗賊などだけではない。
行商人や旅人などもいる。
しかし、様々な人が交じる上、夙最北端の土地なのに、岱連はまるで捨てられたかのように放置され、兵士もいない。
そもそも、ここを治める太守すらいないのだ。
取り締まる者がいないのだから、治安は不安定だった。
夙は、ここから南下したところにある街には大きな城壁を構え、大軍を置き、北に目をひからしている。
つまり岱連は、見捨てられていた。
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