136人が本棚に入れています
本棚に追加
実は劉嘉自身も、もともとは夙の都で悪事をはたらく悪人であった。
ある時兵士に捕まりかけて、逃げるためひたすら北上し、行き倒れたところをたまたまこの村の者に拾われて、今に至る。
悪人だったといえど、劉嘉は本当は情に厚い人間で、恩人である村人に報いるため、様々な犯罪から彼等を守ってきた。
いわば、岱連の太守のような存在だ。
いつしかその噂を聞いた旅人などが、劉嘉の元に駆け付け、配下として働いている。
今その数は約二百人にも及ぶ。
一つの軍隊が出来上がっていた。
しかし、村と呼ぶには大きいが、町と呼ぶには小さいという、どちらかと言えば小規模な集落には、それだけの人数を支える程の力はない。
劉嘉は村人に負担をかけることは出来ず、集まった者達も普段は畑仕事や商売などに従事させている。
最初のコメントを投稿しよう!