136人が本棚に入れています
本棚に追加
夙も劉嘉の存在を知ってはいたが、夙にとって有益であると判断したのか、あえて手を出そうとはしてこなかった。
「劉嘉お帰り!村人達が喜んで帰って来ていたぞ!」
一日中働き、気が付けば辺りは暗く、夜になっていた。劉嘉が自分の屋敷に帰って来ると、待っていたのは、家事全般を担当してくれている男女二人の従者だった。
男は名を、「願顕(がんけん)」
女は名を、「郷桜(ごうおう)」
二人とも、劉嘉の噂を耳にして集まった者だ。
従者として近くに置くのは、二人とも確かな実力があり、そして…料理が上手かったから。
彼等が来るまでは、村人に支えられ、確かに裕福な生活だったが、家に帰れば寂しいものだった。
今では、暖かい仲間と飯と風呂が待っていた。
まぁ従者と言っても、敬語は使わないし、家事をこなしてくれているが、その他に大して従者らしいことをさせているわけではないし、そういう関係は劉嘉自身が疲れるので、
あえてそういうへりくだるような対応をしないように言っており、いわば友達のようなものだ。
最初のコメントを投稿しよう!