第一章:子狼、召喚される。

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  「ウォルフ!!」  ウォルフの肩がビクッと跳ねる。 「何でファーストネーム!?」 「他意はない。あるとするなら茶目っ気だ」 「そんな茶目っ気いらないよ!!」 「……面倒臭いな。復習だ答えろ。召喚獣と使い魔の違いは何だ?」 「………何か違うの?」 「はいっ ドォーン!!」  隅枝先生が魔法杖の柄を地面に突き刺すと、ウォルフの下の地面だけ急速に盛り上がり、ウォルフを打ち上げる。  そして、落下。  とても綺麗な顔面着地だ。 「ウォルフ。ラストチャンスだ。もう一度、解答権を与えよう」 「…………分かりま 」 「ドォーン!!」  二度目の顔面着地  ウォルフは二度に渡って打ち付けた鼻を押さえながら、隅枝先生を涙目で見上げる。 「ま、まだ何も言ってないのに」 「それは悪かった。言ってみろ」 「分かりません」  何故か誇らしげだ。 「ドォォーン!!」  三度目の滞空時間は長かった。
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