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――よし。後は詠唱魔法の一つ、詠唱召喚魔法を組み合わせるだけ。
一呼吸入れ、魔力を込めた魔法杖の柄を召喚陣に描かれた追加魔力路に突き刺し、満遍なく流し込みながら詠唱魔法を組み合わせ始める。
詠唱魔法とは、魔術的意味合いを持たせた詩歌等といった詩を歌う事によって、魔法を促す魔術技術の一つである。
その詠唱魔法に大切なのは只一つ、詠唱内容を理解し、気持ちを乗せ語りかける様に歌い上げる。
《汝、我が呼び声に応えよ》
詠唱に合わせて魔力に翠色の光りが灯り、魔法杖、追加魔力路、そこから魔法陣へと、溝を伝って流れる様に灯り始める。
《汝の力は我が剣》
翠色の光りが召喚陣の隅々まで行き渡り、波打ち、溢れ、上昇し始める。
そして詠唱はラストスパートをかける。
《今こそ、我が呼び声に答え馳せ参じよ!!》
途端。
視界を埋め尽くすほどの光りが発し、けたたましい音と共に突風が身体を打ち付ける。
余りの事で顔を腕で押さえていると、次第に収まりはじめる。
恐る恐るゆっくりと腕を離すと、召喚陣の真ん中に目を移した。
「……何だコイツは」
そこには白髪の子供が転がっていた。
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