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「それで、今日はどうしたんだい?まだ授業中だと思うけど」
「この子の事なんだが」
そう言いながら腰を屈めて、傷だらけの白髪少年を見せると、バークレイ先生は含み笑いを見せた。
「高校から子持ち?大変だねぇ」
「その冗談は笑えないぞ」
「ちゃん!」
白髪の少年を長椅子に起き、目の前の男の首を引き寄せる。
タップする音が聞こえるが、きっと気のせいだ。
高度過ぎてどういう原理の魔術かは分からないが、バークレイ先生が白髪少年の胸に手を置いてから数分足らずで外傷は綺麗さっぱり無くなり、息も調い始めて、とても気持ちよさそうに眠っている。
「もう大丈夫。放課後には目が覚めるだろうから君はそれまでクラスに戻ってるといいよ
そろそろチャイムも鳴るしねぇ」
「いや、だが―― 」
――キーンコーンカーン…
「ほらねぇ。後はホームルームだけでしょ?戻ってくるまで見てて上げるから早く自分のクラスに帰ったら?」
「……そうしよう。失礼した」
「はいはい数十分後にねぇ」
ベルネは扉の手前で一礼すると、扉を開けて医務室から出ていった。
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