第一章:子狼、召喚される。

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   ベルネは1年4組の教室に入ると、何故か拍手喝采を受けた。 4組の生徒全員がスタンディング・オべーション状態である。 さりげなく隅枝先生が混じっているのが腹立たしいが、そこは敢えて無視の方向でいこう。 「遅かったね、ベルネ」  声のする方を見ると、男子生徒が生徒の海を掻き分け出てくる。ウォルフだ。 「ああ、ウォルフいい所に… これは何ごとだ?状況が全く掴めないぞ」 「……2週間後、何があるか覚えてる?」 「2週間後?……ウォルフ。余り勿体振るな、簡潔に説明してくれ」 「忘れたの?入校時合宿の事」 「いや、覚えているさ。学科に別れての校外合宿だろ?確か魔法使い学科はイェブレ山脈に行くと聞いたが?」 「そうなの?委員長」 「知らなかったんですか?」  ウォルフは直ぐ後ろにいた女生徒に尋ねるが素っ気なく返される。  委員長と呼ばれたその女生徒はため息を付くと、軽く眼鏡を押し上げた。 「アルベルト君、もう引っ込んで頂いて結構です」  フェルミ・アンハ-ゼン  眼鏡に三つ編みの委員長ルックが隅枝先生の目に留まり、初日早々委員長に任命。
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