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ベルネは1年4組の教室に入ると、何故か拍手喝采を受けた。
4組の生徒全員がスタンディング・オべーション状態である。
さりげなく隅枝先生が混じっているのが腹立たしいが、そこは敢えて無視の方向でいこう。
「遅かったね、ベルネ」
声のする方を見ると、男子生徒が生徒の海を掻き分け出てくる。ウォルフだ。
「ああ、ウォルフいい所に…
これは何ごとだ?状況が全く掴めないぞ」
「……2週間後、何があるか覚えてる?」
「2週間後?……ウォルフ。余り勿体振るな、簡潔に説明してくれ」
「忘れたの?入校時合宿の事」
「いや、覚えているさ。学科に別れての校外合宿だろ?確か魔法使い学科はイェブレ山脈に行くと聞いたが?」
「そうなの?委員長」
「知らなかったんですか?」
ウォルフは直ぐ後ろにいた女生徒に尋ねるが素っ気なく返される。
委員長と呼ばれたその女生徒はため息を付くと、軽く眼鏡を押し上げた。
「アルベルト君、もう引っ込んで頂いて結構です」
フェルミ・アンハ-ゼン
眼鏡に三つ編みの委員長ルックが隅枝先生の目に留まり、初日早々委員長に任命。
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