第一章:子狼、召喚される。

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 有無も言わず二つ返事で承諾したフェルミは、巧みな話術でその日の内に組を掌握。  《お金こそ正義》をモットーとする、損得を第一に考える腹黒委員長である。 「ローテンブルクさん」 「?」  委員長が腕を組み、ベルネに視線を戻す。そしてニヤリと口角を上げた。 「おめでとうございます」 「何の事だ?」   正直嫌な予感しかしない。 「実は合宿の最終日にクラスマッチがあります」 「伝統らしいな」 「はい。 各クラス代表者を一人だし、トーナメントで優勝を競います」 「ま、待て。まさか」 「よろしくお願いします代表」 「「代表!!」」  黙れ、バックコーラス。 「委員長、良く考えろよ?普通こういうのは学級委員長が代表として出るべきじゃないのか?」 「そこは既に検討済みです。結果としてローテンブルクさん、貴女が代表者である事が最も最適であると結論が出ました」  こらこら当人不在で何やってんだ。
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