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長身の少女。真っ赤な長髪を首の後ろで纏め、真っ赤な瞳は獣の如くぎらつき、鋭利だ。
サラ・ムースペルス
《五行》の《火》
《五常》の《礼》を司るムースぺルス家の長女。
気性が激しく、荒々しい性格。
売られた喧嘩は余す事なく買い、気に入らない奴がいれば取り敢えずぶん殴る。
影では女番長と呼ばれている。
幼い頃は気性の荒さを少しでも治すため、《仁》のローテンブルク家で過ごし(親バカの現当主が一緒になってついて来たため、ほとんど意味が無い)、高校に上がってからは寮の部屋が隣同士の為(学年は一個上だが何故かお目付け役として隣室に入居させられ)、よく一緒に帰るのだ。
「サラ、悪いけど今日は先に帰っててくれるか?」
「構わねぇが、なんだ?
ラブレターでも貰って、これから屋上か?」
「そんな訳無いだろ」
「ああ、なら体育館裏だ。どうだ、あたりだろ」
「どうもこうもラブレターから離れろ。これから医務室に行くだけだ」
「なんだ?怪我でもしたってのか?面白そうだ。アタシも行く」
「私は怪我なんかしてないよ、怪我してるのは他の子」
「男か」
「否定はしない」
「面白そうだ。アタシも行く」
「勝手にしてくれ」
ベルネはただため息をつくばかりだった。
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