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「何か?」
「あの子は君の使い魔かい?」
「未だ契約はしてないが、召喚したからにはそのつもりだが?」
真剣な眼差しで聞いてくる割に、全く話しが見えない。それがこの男にどう関係してくるというのだろうか?
「そう。契約の成功を祈るよ」
「その台詞は今日だけでも二度目だぞ」
「きっとそれだけ重要な事なんだよ」
いつまでも続く内容の無い世間話。
そして、それに耐えられない沸点常温が一人。
「おい、てめぇら!さっきからアタシをぬきにして話してんじゃねぇよ!!燃やすぞ!!」
言わずもがな、サラの事だ。
「サラ、そう目くじらを立てるな」
「そうだよムースペルスちゃん。もう会話は終わり、二人とも帰っていいよ」
「うるせぇ!
アタシをちゃん付けで呼ぶんじゃねぇ!今すぐ灰にしてやる!!」
そういうサラの右手に炎が灯る。サラが肩から垂直に腕を振り下ろすと、それにそって炎が軌跡を創り、陣を描く。右上へ、下へ、左上へ、それは何処か砂時計にも見える。
その陣は三角の対連方陣。簡素化した召喚魔法陣を対になるよう重ね掛けし、リスクと発動までの時間を必要最低限まで抑える高等技術だ。
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