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ガタン、という音と共にロッカーが開き、体中の裂傷から血が溢れでいる、真っ赤なバークレイが転がり出てきた。
「ふぅ、突然来るもんだから冷や冷やしましたねぇ。まぁ、終礼が終わり次第来るように言ったのは僕何ですが、それにしてもダミーが間に合って良かったです」
「そいつは良かった。その怪我治してやろうか?」
「いえいえ、怪我を治すのは校医である僕の仕事です。自分で治しますよ。それより隅枝君、君はいつからそこにいたんだい?」
バークレイが目をやった先のデスクには、どっかりと我が物顔で座っている隅枝がスナック菓子(バークレイの私物)をバリボリと喰らっていた。
「お前が独り言を寂しく呟きはじめた頃には既にいたさ。それと私はこれでも女だ。隅枝君はやめろ」
「それはすみませんねぇ。それより、君は用があったから来たんじゃないのかい?」
バークレイは薄水色に光る右手を裂傷の患部に当て、治療を始める。
それは先刻にあの白髪少年に施した物と同じ物だ。
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