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ベルネ・ローテンブルクは、驚きの余り開いた口が塞がらなかった。
別段可笑しな所は無かったはずだ。
それはもう惚れ惚れするような出来映えだ。
そもそも、魔法陣の組み立てと発動は得意中の得意であり、今月の始めにした召喚獣の召喚陣にした所で、学園の歴代でもトップクラスの実力だと教師陣を唸らせた。
その筈なのに。
「……何だコイツは」
使い魔の召喚陣を描き、魔力を流し込む。
此処までは良かった筈だ。
モ-マンタイ。
無問題だった筈だ。
その筈なのに。
「何だコイツは……」
膝上まであるボサボサの白髪。ボロボロになって衣服の役割を果たしてない、綿織物であったであろう衣。身の丈程ある刀を持つ手は擦り切れ、汚れ、それは全身に見られ、また、意識がない事から、満身創痍であることは嫌という程分かる。
ベルネ・ローテンブルクが召喚した使い魔は、そんな虫の息の、両手の年端もいかない様な少年だった。
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