第一章:子狼、召喚される。

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   事の起こりは今日の早朝、春も終盤、桜の花びらも散り尽きた校庭のグランドから始まった。       ※  高等部魔法使い学科1年4組に属するベルネは、クラスメートと共に校庭のグランドに来ていた。  グランドにいるのは、自分を含め、述べ30人の生徒と、1年4組の担任であり、図形魔法学担当教師の隅枝真紀先生だ。 「ん。集まったな。 本鈴鳴ったら始めるから、私の見える範囲に固まれ」  そういい右手には教材、左手には魔法杖を持っているジャージ姿の隅枝先生は、自分の視界を表しているのだろう両手を扇形に広げながら手招きをしている。  ただ一つ、これだけは勘違いしないでもらいたい。隅枝先生は別にジャージ姿だからといって、体育会系でも無ければ熱血系でも無い。どちらかといえば、帰宅系で腐血系だ。  真逆である。  世に言う、ズボラ女、干物女と呼ばれる部類に入るのだろう。
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