雨の中、少年

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そして今、その“父”が自分に会いたがっている。 ──いや、もしかすると   これは罠かもしれない── その考えに至る寸前。 「──ハッ」 しゃがみこみ、銃に手を置きながらルパンはようやく我にかえった。 そして気付くと、自分にだけ雨が当たっていないことに気付く。 「ん?」とルパンは銃を掴み、しゃがんだまま見上げた。 すると、女は目の前まで来ており、ルパンの真上で傘を開いてくれていた。 「風邪ひいちゃうわよ」 女はまた笑って、エクボを見せながらに言った。
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