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この町が静寂に包まれているのは王が善良な王として認められている証だ。
メロスは、思わず安堵の息をもらした。
「よかった、王よ国民に愛されているぞ。ただそうだと、やっぱり死んでしまったのは惜しかったな。」
空に向かって、小さく、王に伝えるように呟いた。
その時、メロスは自分のもらした言葉に疑問を持った。
このことに何故気づかなかったのか
今までの自分の考えなら真っ先に気が付いてもおかしくなかった。
なのに気づけなかった。
明らかに冷静さに欠けていた、その時の自分を恥じた。
「何故王は死んだのだ?」
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