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「神は運命を…書き換え、弥生が…命を落とすシナリオを…創った。
それを見た…時に、さ。
何だか………すごい喪失感に…駆られちまって。
つい。盗んじまった………」
「あんた。"つい"って………」
呆れた声を出すミカエルを気にせず、海は重たい手を持ち上げて前に翳すと、"ボックス"と唱えた。
目の前に空間の裂け目が現れ、黒い大きな物体が真っ直ぐ、投げ出された海の両足の上におちる。
それがとてつもなく分厚いこと、そして重たいことをすっかり忘れていた。それが落ちてきた衝撃が痛みとなり、脳を激しく刺激する。
「これが………欲しかったんだろ?」
これは、何も知らない黒崎 海が………
図書館から借りだしてきたと勘違いした物だ。
黒崎 海が初めてボックスの魔法を成功させた時、中身を確認しなかったのも勘違いの大きな原因だ。
………これは、"最初から入っていた"のだから。
ルシファーが、人間界へと降り立つ時の唯一の持ち物として、そこに保管されていたものだ。
「お前が…人間界まで、わざわざ………俺を追いかけて来たのは……………
これが目的だろ………?
持ってく…か………?
と言っても…お前は本気で………手にしようとは………しなかったな。
その上これが…何か知った今………。
大人しく神に…返すとも、思えない…けどな」
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