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その声は青年の背後からした。
青年は背後に敏感になっていた。
咄嗟に振り返ると同時に相手が構えていた銃を上に弾く。
銃弾が青年の頬を掠るが、銃も相手の手を離れて宙に舞った。
相手の胸を掌打しバランスを崩すと、一気に押し倒して馬乗りになる。
落ちてきた銃はすっぽりと青年の手に納まり、今は数瞬前まで優勢だったはずの男の喉に突き付けられていた。
青年は目を見開き、男を見下ろす。
よく見ればまだ若い男だ。
その男は両手を少し上げて、無防備を示し、苦笑いを浮かべて言った。
「あぁっと……………
うん。なかなか速いね」
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