†始まり†

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「個人的な事情で済まないが。俺には今、一切の記憶がない。よってお前を信用する方法がない。本当の事を言えば危険の芽は摘んでおきたい所だ。が、お前が学生だと言う事が証明できるなら……………信じてやらんでもない」 青年は光の無い目で言い放った。 隼人という男は「学生証がある」と言った。続けて青年が聞く前に声を荒げる。「ポケットだ」 青年が上着のポケットに手を入れるが左右どちらにもない。 そこで男を睨み、警戒を強めてズボンのポケットを上から軽く叩くと、あった。カードの様な物が。 取り出すとカードは二枚あり、一枚は銀のシンプルなカード。もう一枚は軽く装飾のしてあるカード。学生証と書いてある。どちらにも日向 隼人(ヒナタ ハヤト)と銘打ってあった。
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