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10分程経ったか。
隼人が気を遣いながら、顔を上げた。
何度も厳選されたであろう言葉を再度確認しながらゆっくりと口にした。
「逆に、何を覚えてるんだ?」
その質問に、青年は困った。
どう説明すれば良いかを。
「あぁ……………っと。言葉は通じるみたいだ。あと文化の違いはあるかもしれないが、日常生活的動作にも支障ないと思う。
ただその他は全く覚えていない。どこで育ったとか。ここがどこかとか。………家族がいるのかさえも」
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