†真実†

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それが、弥生との最後だった。 そのたまらなく愛しい笑顔の後、世界がぐにゃりと歪み、またどこかの森へと飛ばされていた。 今度は、場所も解らない。 森の中。 少し開けた所ではあるが、辺りは一面木に覆われている。 上を見上げると辺りの木の枝々に囲まれてぽっかりと開いたスペースに、暗い空と瞬く星がみえた。 また涙を流しそうになるのをぐっとこらえ、一つ深く息を吐く。 実は海は、海を助けた人物。 つまり先程からの監視者に、心当たりが無いわけでは無かった。 しかし、その可能性を考えるのは……… あまりに都合が良く、 傲慢だった。
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