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右の方から、落ち着いた声がする。
昔、学園に通っていた頃に海達といるときに見せていたあどけない感じではなく。
授業の時のような、どこか冷たくそっけない面を感じさせながら、彼女は一本の木に背を預けていた。
髪は元の姿である金髪へと戻り、白の衣を身に纏い、暗闇の中にぼぅっと光って見える気さえするその姿は、"柊"というよりは"ミカエル"だった。
「………あの子に話したのね」
その言葉に、海は笑わずにはいられない。
「よく…言うぜ………。
あいつ等を…あそこまで連れてきて………おきながら………」
どうやら図星だった様で、プイッと横を向いてしまった。
視認不可魔法の効力が無くなっている時点で、監視者の意図を感じていた。そうでなければ、何もないところでつまずいた現象を不可解に思うだけで、海と再会することも無かったはずだ。
「それで、何で私にも話してくれなかったわけ?」
「何のこ
「あなたが天界を去った理由よ!!!!!!
とぼけないで!!!!!!」
怒りを露にしながら詰め寄って来るミカエルに、慌てて海は諭す。
「まぁまぁ…待てよ!
順を追って…話すから…よ。
時間なら…たっぷりあるだろ…?
俺たち…には…よ?」
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